往☆生★白書

往生際よく往くための実在録

鉄の思ひ

秋の横浜。朝晩はぐっと肌寒くなった。 冬の足音が聴こえてきた。私は身構える。雪国育ちの影響からか、「早く冬眠(雪で身動きが取れない状況)の準備をしないと死ぬぞ」という、細胞単位での危機感が日に日に増している。前回の冬はほとんど都会で過ごした…

タイトロープ・ブラザーズ(後編)

2015年1月初旬。 私と今ちゃんは新潟駅前の交差点、三幸製菓の大きな看板の下であいさつ運動をしていた。道行く人に笑顔で「おはようございます!」と「行ってらっしゃい!」。ほとんどの人に、朝から何ごとだというような顔をされた。基本、目も合わずあい…

タイトロープ・ブラザーズ(前編)

2015年1月から現在に至るまで累計1234日。 新潟駅前の交差点で“あいさつ運動”を続けている男がいる。こう聞いたあなたは、もしかすると、その理由は選挙のためかと思うかもしれない。確かにきっかけとしては、選挙に関わる活動の一環として駅前でのあいさつ…

私はクロマニョン人になりたい

すうう、はああ。 眠らない都会の街から田舎に帰り、駅のホームを降りた瞬間、新潟の空気が美味すぎて毎度驚く。正直、この空気が吸えるだけで贅沢だなとすら思っている。スーパマーケットなどで全国から取り寄せた新鮮な野菜や、高級な食肉を手に入れること…

いま、届けにゆきます

人生で初めて実家の近所でヒッチハイクをした。 9月1日。時刻は午前10時を過ぎた頃。東新津駅近くのコンビニから数分歩いた車道わき。青いアロハシャツにブルージーンズを履いた男が、長くなった髪は一つに束ね、ただ親指を立ててニコッと笑っている。自分で…

星屑のタイブレーク

人生もロスし続けると漂泊の人となる。 私は青年期を滅茶苦茶に過ごした。金はないが体力と好奇心に任せて方々に飛んでいった。出会った人の恩恵に授かって、予測不可能な日々を好んだ。嘘なく素直さを出そうと思ってした事が、却って自分勝手なものと見なさ…

100回目の切符

皆分かってはいると思うが、とんでもない暑さである。 外気にさらされた瞬間から生命の危険を感じる。朝から暑過ぎて日課の散歩に行けない。日中の主な動きはもうただの避暑でしかない。結局、日が暮れた晩にゆっくり外で歩く。こんな日々ではいけない。今居…