往☆生★白書

往生際よく往くための実在録

Gin the Road

学生時代から徹夜することを毛嫌いしていた。 単純に、次の日のパフォーマンスが下がると思っていたし、だったら早起きしてやればいいという考えだった。中学までは早起きしてでもテスト勉強に励む優等生を貫いていたが、やがて高校に上がると早起きしてまで…

As of thunder

季節が小さく移ろいでいく東京。 都心を歩いていると、ところどころで街路樹としてある銀杏が、ビル風に揺られて黄色の葉をパラパラ落としていた。人通りが多いせいか、落ちた黄色は通行人に何度も何度も踏まれて、押し花のようにアスファルトの上に貼り付い…

Mother's eyes

晩秋。 鮮やかなスカイブルーの空から陽光が海面に反射し、目を奪われるくらい眩しい太平洋。由比ヶ浜から江ノ島海岸あたりまでは、スタンドアップパドルボート(SUP)やサーフィンに興じる者、犬と散歩する人々で賑わう。歩道にはウエットスーツを身に纏い…

quickl human

良き先輩に誘われ、横浜の滞在地点から自由ヶ丘まで往復60㎞を走破した。 自転車としては人生で初めての長距離運転(?)ということで、やる前は様々な不安が脳裏をよぎった。途中でパンクしたらどうなる、都会の車道はどうなんだ、ヘルメットがないので事故…

little by little

満員電車に揺られすぎて危うく持っていかれそうになった。 お世話になりまくっている人からの依頼で、ここ最近は都心で行われた催事でひたすら長崎県の名物を売りまくるという修行の場に身を投じていた。それは池袋のどデカイビルの中で、吉祥寺の路上で、東…

Sound of Siren

ある友人と仕事の後に酒を飲んだ日の帰り道。 電車の乗り換えでホームに出た瞬間、突然彼がよろけて私に寄りかかってきた。一体どうしたと思って反射的に顔を見ると、血の気が引いたように真っ青になって額から汗が吹き出していた。先に帰っていいと言われた…

Himajin−Road

ひたすら歩いていた。 10月の終わり。暑くもなく寒くもない晴天続きの横浜。ビュンビュンと車たちが駆け抜けていく環状2号線の道路沿いを一人歩く。この道も排気ガスだらけだなと、憐れみを込めた目で狭いベランダにひしめき合っている洗濯物たちを眺める。…